RYO NIHONYANAGI二本柳 亮
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AI推進の現場図解資料

新しい​AIツールを、​入れるか​どうかの​決め方

比べる​前に、​任せたい​仕事を​書く

この資料の要点

  1. 01
    比較表より​先に、​任せたい​仕事と、​今どこで​止まっているかを​書き出す
  2. 02
    見るのは​機能の​多さより、​誰の​ための​道具か・​お金・権限と​承認・​データ・やめやすさ
  3. 03
    「入れない」も​成果。​調べた​理由と​次に​見直す​時期を​残す

新しいツールは毎月出る。比べる前に、任せたい仕事を書く

AIの新しいツールは、毎月のように出てきます。発表を見るたびに「うちも入れたほうがいいのでは」と感じ、比較表を作り始める。けれど、比較表から始めると、判断はたいてい「どれが一番すごいか」に流れます。会社が決めたいのは、どれがすごいかではなく、自分たちの仕事に入れる意味があるかです。

2026年の秋、個人やチームに常駐するAIエージェントが続けて出ました。OpenAI の dots、Meta の Muse、xAI の Grok Bot、Anthropic の Claude Duet と Claude Tag です。筆者もひと通り調べ、比べました。けれど、自分の仕事を書き出して照らし合わせると、仕事の大半は、今ある組み合わせ(仕事の振り分けと、すでに使っているエージェント)で足りるという結論になりました。新しく試す価値があったのは、チームで共有して使う形の1つだけでした。

製品から考えると「何ができるか」に目が行き、仕事から考えると「何が足りないか」に目が行きます。選び方の出発点は、後者です。

図1製品から考えるか、仕事から考えるか

製品から考える

  • 新しい発表を見て、機能を比べる
  • 「できること」の多さで選ぶ
  • 入れてから使い道を探す
  • 道具が増え、どれも中途半端に使う

仕事から考える

  • 任せたい仕事を先に書き出す
  • 今の道具で足りない所だけ探す
  • 使い道が決まってから試す
  • 入れない判断も、成果として残る

比較表を作る前に、任せたい仕事のリストを作る

決める順番

新しいツールを入れるかどうかは、次の5つの順番で決めます。いきなり候補を比べ始めないことが、一番のコツです。

図2新しいAIツールを入れるかどうか、決める順番

  1. 人仕事を書き出す任せたい仕事と、今どこで止まっているか
  2. 02今の道具で足りるか手順を書く、振り分けを変える、で解けないか
  3. 03足りない所だけ候補を見る足りない理由に合う道具だけを比べる
  4. 04小さく試す範囲・期間・上限・やめる条件を先に決める
  5. 人続けるか決める試した結果で、広げるか、やめるか

2番目で終わることが多い。それで正解

2番目の「今の道具で足りるか」で止まることが、実際にはかなり多くあります。足りないと感じる原因が、道具ではなく、手順が書かれていないことや、仕事の渡し方にあることも多いからです。手順の書き方は「AIのSkillsとは何か」、仕事の渡し方は「エージェントを「チーム」にする」で整理しています。

見る観点は5つ

候補を比べる段階に来たら、機能の多さではなく、次の5つを見ます。どれも、入れたあとに「思っていたのと違う」となりやすい所です。

図3AIツールを選ぶときに見る5つの観点

  1. 01
    誰のための道具か個人に付くのか、チームで共有するのか
  2. 02
    お金のかかり方人数で払うのか、使った量で払うのか。上限はかけられるか
  3. 03
    権限と承認の厳しさ誰として動くか。どこで人の承認を求めて止まるか
  4. 04
    データの扱いどこに保存され、学習に使われるか。管理者が何を決められるか
  5. 05
    やめやすさやめるとき、作ったものや記録を持ち出せるか

機能の差より、この5つの差のほうが、入れたあとの手間を左右する

とくに見落としやすいのが、3つ目の「権限と承認の厳しさ」です。常駐型のエージェントは、安全のために、大事な操作の前で人の承認を求めて止まります。たとえば dots は、利用者が決めるルールで、もともと組み込まれた安全の仕組みを外すことはできません。任せたい処理が承認のたびに止まるなら、どれだけ機能が多くても、仕事は最後まで終わりません。この点は「常駐するAIを、会社でどう使うか」で詳しく書いています。

個人の道具とチームの道具は、別物として選ぶ

名前や見た目が似ていても、個人に付く道具とチームで共有する道具は、選び方が違います。同じ比較表に並べると、判断を誤ります。

図4個人に付く道具と、チームで共有する道具

個人に付く道具
チームで共有する道具
誰が頼むか
持ち主だけ
その場にいる人なら誰でも
何として動くか
本人の分身として、本人の権限の範囲で
チームの役割として、組織が決めた範囲で
作業の見え方
本人にしか見えない
チームから見え、途中から引き継げる
決めるのは誰か
本人(会社は使ってよいかと範囲を決める)
管理者(接続先・お金の上限・使う場所)
例
Claude Duet、Muse など
Claude Tag など

個人の道具は「各自の生産性」で、チームの道具は「仕事の受け渡し」で評価する

「入れない」も成果

調べた結果「今回は入れない」と決めることは、失敗ではありません。何を調べ、なぜ入れなかったかが残っていれば、次に似たツールが出たとき、同じ調べものを最初からやり直さずに済みます。

会員向けの部分では、判断に使う評価シート、お金のかかり方の読み方、小さく試すときの決めごと、そして「入れない判断」と「小さく試す判断」の記入例を載せています。

ここから先は、限定公開パートです

手順・テンプレート・チェックリストなどの​実践部分は、​顧問先・研修先の​方に​パスワードで​お読みいただけます。

  • 評価シート:観点ごとの​問いと​確かめ方
  • お金の​かかり方の​読み方
  • 小さく​試す​ときに、​先に​決める​こと
  • 入れた​あと、​何を​見るか
  • 記入例:入れない​判断と、​小さく​試す判断
  • 新しい​ツールを​検討する​ときの​チェックリスト
  • 本稿で​確認した​出典​(2026年10月24日に​確認)